1年生:Marketoの設定で最初にやることなすことと、その意味。
Marketoと契約が完了し、ユーザを増やした後は、Marketoと様々な既存のシステム(SalesforceやWebなど)と連携させましょう。
大きく考えるポイントは下記の6つです。
- Webサイトとの連携
- メールとの連携
- SalesforceなどのCRM/SFAとの連携
- リードデータベースの基本計画
- スコアリングの計画
- コンバージョンの定義
以下に1つ1つそもそも何で連携させるのかなどを確認していきましょう。
【1.Webサイトと連携させる】
Webサイトと連携するには、Marketoが生成するMarketo組織(契約)毎のMunchkin(マンチキン)タグを埋め込む必要があります。詳細な埋め込み方法は次回の授業でやるとして、何故、Webサイトと連携するかを簡単に確認します。
B2BでもB2Cでも、顧客のWeb回遊履歴は貴重な情報源になります。顧客が「いつ・どのページを・何回見て・どのような結果を残して行った」のかを把握するためには、顧客1人1人の行動履歴を収集し蓄積していく必要があります。従来のマーケティングでは、Google Analytics や、Adobe Analytics (SiteCatalyst) などを使ってWebサイトの回遊履歴を「かたまり」で分析していました。「サイト全体で見ると、Aのページが人気です」とか「サイト全体で見ると週末の流入が減少しています」とか「サイト全体で見ると、このランディングページが最もコンバージョンさせています」などなど、いままでのWebサイトのアクセス分析では「かたまり」で基本的には考察するのが当然でした。しかし、Marketoなどの登場により「かたまりで分析する」事から一歩進んで「顧客1人1人の回遊履歴を分析する」事が可能になりました。
これはとても魅力的な事です。実際に購買した人の回遊パターンを詳細に分析でき、まだ購入していない人に対して効果的なアクションを打ち出せます。
【2.メールと連携させる】
メールと連携させると言っても、Marketoが既存のメールサーバに代わる訳でも、サーバに蓄積されたメールを読みに行く訳ではありません。単純に「Marketoから正しくメールを送信できるようにする」為の連携をします。具体的にはSPAMメールにならないための、SPFやDKIMの設定をDNSサーバのレコードに追記します。詳細は別の授業でやるとして、設定の必要性を確認しましょう。
Marketoには基本的に大量メールを送信し、その反応に応じて次のコンテンツや行動を促します。受信者がメールを開いたか、メール内のリンクをクリックしたかも測定をしていき、それをスコアリングなどにも活用します。
そのためには、測定する仕掛けを埋め込んだメールを大量に作成し送信する必要があります。
Marketoでは例えば「メールを開いたか」を測定するには、メール内に「コンバージョンピクセル」を自動的に埋め込みます。また「メール内のリンクをクリックしたか」把握するためには、受信者毎に一意のリンクを自動的に生成し顧客の行動履歴を把握する事ができます。さらに、メールアドレスとブラウザのクッキーを紐付ける事ができるので、メールの行動履歴と、Webの回遊履歴を紐付けた、顧客の分析が可能になります。
今までのメールを送信するだけの「メールマーケティング」システムでは、Webの回遊履歴と組み合わせてスコアリングまではできないと思いますので、一歩進んだマーケティングが可能になります。
【3.SalesforceなどのCRM/SFAとの連携】
B2Bの場合、既に自社で運用されているSalesforceやNETSUITE, Microsoft Dynamicsなどと連携ができます。その事により、CRMに登録されている顧客とMarketoの情報が同期され、CRM上にWebサイトやメールなどでの行動履歴がMarketoから取り込まれます。
CRM/SFAとマーケティングオートメーションが連携することにより、マーケティング施策(種まき活動)が具体的な商談(活動結果)に紐付くのでROI評価が高い精度で実現でき、マーケティング予算の効果的な運用が実現できます。営業現場レベルのメリットとしては、顧客の行動履歴に伴うセールスが図れることです。CRM上に表示される顧客のWeb回遊履歴を元にしながらセールスメールを書くこともできます。たとえば顧客Aの行動履歴を見ると「映像制作サービス」に関するページや「映像制作サービス」の実績ページを熱心に見ていたとします。それを基に「Aさま、先日はお時間をありがとうございました。先日のMTGで申し上げた通り、弊社では映像に特化したサービスに注力しており、多くの実績を持っております。」など、さまざまな自社の商品やサービスの中から、どの顧客に対してどの商品を訴求すれば良いかを、営業の「カン」では無く、顧客の「行動履歴」を基に展開できるので成約率の向上と、営業活動の効率化が図れます。
※ちなみにB2Cの分野で全ての顧客に上記の事はやってられないと思うので、その場合はスコアリングに基づいたキャンペーン施策を実施していくなどします。B2Cでは「Marketo Dialog Edition」を利用するので、CRMとの連携はありません。
【4.リードデータベースの基本計画】
地味な作業ですが、B2Bでは結構重要です。「取引したく無い顧客とやっとご縁を切れたのに、営業メールを送信してしまった」などの事件がMA導入後最初に発生する落とし穴的な「MAあるある」(MAと言うかメール大量配信あるある)です。また競合に自社のマーケティングキャンペーンメールを飛ばしまくり、間抜けにも自社のやり方を随時報告をしつづけたり、ホワイトペーパーをダウンロードさせまくるなども問題です。
そんなことにならないように、CRMとMarketoを上手く連携や運用をする計画を立てていきましょう。オススメの方法は、CRM上に「競合」や「MA対象外」などの管理項目を追加し営業スタッフが常にメンテナンスできるようにして、それをキーにしてMarketoのスマートリストで対象外とする「今後共有利用可能なスマートリスト」を作成するなどが考えられます。詳細は今後の授業で学んで行きましょう。
【5.スコアリングの計画】
自社に多くの製品やサービスがある場合、顧客がどの製品やサービスに興味を持っているかを具体的に「最初から」把握し続ける事がMA成功への鍵です。
スコアリングをどのような粒度で実施するかを最初に計画すると、すぐに的を射たマーケティングキャンペーンが実行でき成果を得られる事でしょう。
そのためには、初期段階だけ今流行の「カスタマージャーニーマップ」をマーケティングチーム内で議論して作成するのも有効な手段だと思います。議論の中で自社に最適な「注目し続ける顧客の行動」や「注目する顧客の属性」を見出すことができます。それを基にして精度の高いセグメントを切る事も可能です。詳細は今後の授業で学んで行きましょう。
【6.コンバージョンの定義】
「何を持って施策の成功とするのか」を測定可能な指標を最初から作っていき、そもそもMarketo導入のROIを見ていく必要があります。
コンバージョンにも階層構造があります。時間軸で見ると長期中期短期です。長期のコンバージョンはMarketo導入の評価などが含まれますが、中期的には新製品の売り上げ、短期的にはキャンペーン施策単体のROI評価などです。見落としがちなのが、超短期的に見ていく「マイクロコンバージョン」があります。メールのクリック、特定のコンテンツの閲覧など、顧客の細かな行動結果を「小さなコンバージョン」として積み上げていき、施策の微調整をしていく事を考えて行きましょう。これも今後の授業でいつか一緒に学んで行きましょう。
以上、ダラダラと書いてしまいましたが、地味だけど最初から頭に入れておくと、良い成果を得られるポイントだと思ってます。
次回は、Munchkinタグを入れる具体的な方法やポイントを学んで行きましょう。
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