Webflowとは何か?Figmaとの違いなど入門編|ノーコードWeb制作の新潮流
「Webサイトのちょっとした修正に、毎回エンジニアの手を借りなければならない」「WordPressの更新やセキュリティ対策に追われている」——こうした悩みを抱える中小企業のWeb担当者は少なくありません。
そんな課題を解決する選択肢として、近年急速に注目を集めているのが「Webflow」です。2013年にサンフランシスコで創業したこのプラットフォームは、世界中で200万人以上のユーザーを獲得しています(出典:PR TIMES, 2023年8月28日)。日本でもリコーや楽天グループなど大手企業での採用が進んでいます。
本記事では、Webflowの基本的な機能から、デザインツール「Figma」との使い分け、そして中小企業がWebflowを導入する際の実践的なポイントまで、Web制作の担当者が押さえておくべき情報を体系的に解説します。
Webflowとは?——「デザイン→実装→公開」を一貫して行えるプラットフォーム
Webflowは、コードを書かずに本格的なWebサイトを構築できる「ノーコードWebデザイン・開発プラットフォーム」です。従来のWebサイトビルダー(WixやSquarespaceなど)と異なる点は、デザインの自由度がプロのデザイナーやエンジニアが手作業で実装するレベルに匹敵することです。
Webflowのサービスは、主に3つの機能で構成されています。
機能1:ビジュアルエディター(デザインツール)
ドラッグ&ドロップの操作で、HTMLやCSSの知識がなくても複雑なデザインを実現できます。デスクトップ・タブレット・モバイルといったブレークポイントごとにレイアウトを調整しやすく、レスポンシブデザインへの対応がスムーズに行えます(出典:Webflow, 2024年8月4日)。
従来のノーコードツールでは「テンプレートの枠内での調整」に限定されがちでしたが、Webflowではピクセル単位での細かな調整が可能です。これにより、ブランドイメージを正確に反映したWebサイトを制作できます。
機能2:CMS(コンテンツ管理システム)
ブログ記事、ニュース、製品情報など、多様なコンテンツを効率的に管理できる機能を備えています。WordPressのような既存CMSと比較した場合の特徴は、カスタムフィールドやコンテンツ間のリレーション設定など、データベース的な柔軟性を持っている点です。
また、APIアクセスが可能なため、外部のマーケティングオートメーションツール(HubSpot、Marketoなど)やCRMシステムとの連携も容易です。
機能3:ホスティング・セキュリティ
Webflowは独自のホスティング基盤を提供しているため、別途サーバーを契約する必要がありません。WebflowホスティングではSSLを標準で有効化でき、TLS 1.3にも対応しているため、ブラウザとサイト間の通信を安全に暗号化できます(出典:Webflow, 2022年8月16日 /2025年6月16日)。
Webflowはホスティング基盤をCloudflareのグローバルネットワークへ移行しており、一部サイトではDNS設定の更新が必要になると公式ヘルプセンターで案内されています。これにより、パフォーマンスやDDoS耐性などのセキュリティ面が強化されるとされています(出典:Webflow Help Center, 2025年)。
Webflowが解決する「従来のWeb制作の課題」
多くの中小企業が抱えるWeb制作・運用の課題を整理すると、Webflowがなぜ注目されているかが見えてきます。
課題1:変更のたびにエンジニアの介入が必要
従来のWeb制作では、テキスト修正や画像差し替えといった軽微な変更でも、エンジニアに依頼する必要がありました。これにより、「修正依頼から反映まで数日〜数週間かかる」「急なキャンペーン対応ができない」といった問題が発生していました。
Webflowでは、マーケティング担当者やWeb担当者が直接コンテンツを編集・公開できるため、この課題を根本的に解決できます。
課題2:セキュリティ管理の負担
WordPressをはじめとするオープンソースCMSでは、本体やプラグインの定期的なアップデート、セキュリティパッチの適用が必須です。これを怠ると、サイト改ざんや情報漏洩のリスクが高まります。
Webflowではプラットフォーム側でセキュリティが一元管理されるため、こうした運用負担が大幅に軽減されます。
課題3:デザインと実装のギャップ
デザイナーが作成したデザインカンプを、エンジニアが実装する過程で「デザインの意図が正確に再現されない」という問題は、Web制作現場の永遠の課題でした。
Webflowでは、デザインと実装が同じプラットフォーム上で行われるため、このギャップが生じにくくなります。
WebflowとFigmaの違い——「競合」ではなく「補完」の関係
Webflowを検討する際、よく比較されるのがUI/UXデザインツール「Figma」です。両者は一部機能が重複していますが、本質的には補完関係にあります。
Figmaの役割:「設計段階」のツール
Figmaは、Webサイトやアプリの「実装される前の設計段階」で使用するツールです。ワイヤーフレーム作成、UIデザイン、プロトタイピング、ユーザビリティテストなどに強みを持ちます。
Figmaの特徴的な機能として、リアルタイム共同編集があります。複数のデザイナーが同時に同じファイルを編集でき、コメント機能でフィードバックを残すことも可能です。
ただし、Figmaの成果物はあくまで「デザインデータ」であり、そのままでは動作するWebサイトにはなりません。従来は、Figmaで作成したデザインをエンジニアがHTML/CSSに変換する「コーディング」作業が必要でした。
Webflowの役割:「実装・公開段階」のツール
Webflowは、デザインを動作するWebサイトとして実装し、公開するためのツールです。CMSやホスティング機能も統合されているため、制作から運用まで一貫して対応できます。
典型的な制作フロー:FigmaとWebflowの連携
多くのWeb制作プロジェクトでは、以下のようなフローでFigmaとWebflowを併用しています。
ステップ1:Figmaでデザイン・プロトタイピング クライアントとのデザイン方向性のすり合わせ、ユーザビリティ検証、デザインシステムの構築をFigmaで行います。
ステップ2:FigmaデザインをWebflowに転送 Webflowが提供する「Figma to Webflowプラグイン」を使用すると、Figmaのオートレイアウトフレームを自動でWebflowに変換できます。従来は数週間かかっていたコーディング作業が、数分〜数時間に短縮されると紹介されています(出典:Figmafy.com, 2023年3月28日)。
ステップ3:Webflowで最終調整・公開 細かなデザイン調整、CMS統合、本番環境へのデプロイをWebflowで行います。
「Figmaをスキップする」ケースも増加
一方で、ランディングページやマーケティング施策用の簡易サイトでは、Figmaでのデザイン工程を省略し、最初からWebflowで直接構築する企業も増えています。
特に「デザインの品質よりもスピードを優先したい」「社内にデザイナーがいない」といった状況では、Webflow単独での制作が経済的です。
WebflowとWordPressの比較——どちらを選ぶべきか
日本のWeb制作市場では、依然としてWordPressが圧倒的なシェアを持っています。WebflowとWordPressを比較し、それぞれに適したケースを整理します。
デザイン自由度の比較
WordPress テーマとプラグインの組み合わせでカスタマイズしますが、デザインの自由度はテーマに依存します。完全にオリジナルなデザインを実現するには、PHPやCSSの知識が必要です。
Webflow ビジュアルエディターで直接デザインを作成するため、テーマの制約を受けません。CSSの知識がなくても、ピクセル単位での調整が可能です。
運用・保守の比較
WordPress 本体・テーマ・プラグインの定期的なアップデートが必須です。アップデートを怠るとセキュリティリスクが高まり、アップデート時には互換性問題が発生することもあります。
Webflow プラットフォーム側でアップデートやセキュリティ対策が行われるため、ユーザー側の運用負担は最小限です。
機能拡張性の比較
WordPress WordPress公式プラグインディレクトリでは多数のプラグインが利用可能です。ほぼあらゆる機能を追加できますが、プラグイン同士の競合や、サポート終了リスクを考慮する必要があります。
Webflow プラグインの数はWordPressより少ないですが、主要な機能は標準で搭載されています。2025年4月13日時点で300以上のアプリがWebflow Marketplaceで利用可能です(出典:Webflow Updates, 2025年4月13日)。
適したケースの整理
| 観点 | WordPress向き | Webflow向き |
|---|---|---|
| コンテンツ量 | 数千〜数万ページの大規模サイト | 数十〜数百ページの中規模サイト |
| 更新頻度 | ブログ中心で頻繁な更新 | コーポレートサイト、LP |
| 社内リソース | エンジニアが在籍 | マーケター中心 |
| 予算感 | 初期費用を抑えたい | 運用コストを抑えたい |
| デザイン要件 | テンプレートベースで可 | オリジナルデザイン重視 |
Webflowの料金体系——中小企業が把握すべきポイント
Webflowの料金は、「サイトプラン」と「ワークスペースプラン」の2軸で構成されています。中小企業が検討する際のポイントを解説します。
サイトプラン(Webサイトごとの料金)
| プラン | 年払い時(月額) | 主な機能 |
|---|---|---|
| Starter | 無料 | webflow.ioドメイン、2ページまで |
| Basic | $14 | カスタムドメイン、CMS機能なし |
| CMS | $23 | CMS機能、複数エディター |
| Business | $39 | 大容量CMS、高帯域幅 |
(出典:Webflow Pricing, 2025年)
中小企業への推奨 コーポレートサイトやサービスサイトを運用する場合は「CMS」プラン(年払い$23/月)が基本的な選択肢になります。ブログやニュース更新を行わない場合は「Basic」プラン(年払い$14/月)でも十分です。
ワークスペースプラン(チーム・複数サイト向け)
複数のWebサイトを管理する場合や、複数メンバーで編集作業を行う場合は、ワークスペースプランの検討が必要です。
| プラン | 年払い時(月額) | 対象 |
|---|---|---|
| Starter | 無料 | 個人・フリーランサー |
| Core | $19 | 小規模チーム |
| Growth | $49 | 中規模チーム |
(出典:Flow Ninja, 2025年5月31日)
総コストの試算例
従業員50名程度の中小企業が、コーポレートサイト1サイトをWebflowで運用する場合の年間コスト試算:
- サイトプラン(CMS):$23 × 12ヶ月 = $276(約4万円)
- ワークスペースプラン(Core):$19 × 12ヶ月 = $228(約3.4万円)
- 年間合計:約7.4万円
WordPressの場合、サーバー費用(年間1〜3万円)+セキュリティ対策費用+保守運用の人件費を考慮すると、総コストはWebflowと同等かそれ以上になるケースも少なくありません。
日本企業・グローバル企業のWebflow導入事例
事例1:株式会社リコー(RICOH360ブログ)
リコーは、WordPressなど複数のブログを1つのWebflowサイトに統合し、日本語・英語・フランス語の多言語対応を実装しています。更新が頻繁な企業ブログの運用効率を向上させた事例として紹介されています(出典:Supasaito, 2025年)。
事例2:Rakuten Super Logistics(現 ShipNetwork)
米国のロジスティクス企業Rakuten SLは、WordPressからWebflowへ全面移行した結果、オンサイトエンゲージメント指標が大きく改善したと報告しています。
成果(出典:Webflow, “Rakuten SL (now ShipNetwork)“, 2025年)
- ページビュー数:12.7%増加
- 直帰率:27.9%低下
- 新規ユーザー:9.5%増加
- ページ/セッション:3.4%増加
事例3:ニジボックス(コーポレートサイト)
リクルートグループのデザイン会社であるニジボックスは、自社コーポレートサイトをWebflowでリニューアルしました。
成果(出典:Note, 2023年12月18日)
- 従来:変更のたびにエンジニアの介入が必要、対応に「数週間」
- 導入後:ほぼノンエンジニアで企画〜リリースまで実施可能、「わずか1日」で対応
これらの事例から、Webflow導入の効果は「運用コスト削減」と「スピード向上」に集約されることがわかります。
中小企業がWebflowを導入する際の実践的なポイント
ポイント1:スモールスタートで始める
いきなり全社サイトをWebflowに移行するのではなく、以下のような小規模なプロジェクトから始めることを推奨します。
- 新製品・新サービスのランディングページ
- 採用サイト
- キャンペーンサイト
- イベント告知ページ
これらのプロジェクトで運用ノウハウを蓄積した後、段階的に適用範囲を広げていくアプローチが現実的です。
ポイント2:社内の「Webflow担当者」を育成する
Webflowは「ノーコード」とはいえ、効果的に活用するには一定の学習が必要です。社内に1〜2名の「Webflow担当者」を設定し、以下のステップで育成することを推奨します。
学習リソース
- Webflow University(無料):公式の学習プラットフォーム。「Webflow 101」コースで基礎から体系的に学べます(出典:Webflow University)
- Webflow Practitioner認定試験(無料):25問のオンライン試験。88%以上で合格。社内担当者のスキル証明に活用可能です(出典:Webflow University Certifications)
ポイント3:既存サイトとの共存を検討する
WordPressなど既存CMSからの「完全移行」ではなく、「並行運用」も選択肢に入れてください。
例えば、以下のような構成が考えられます:
- 本体サイト(コーポレート情報):WordPressを継続
- マーケティング施策(LP、キャンペーン):Webflowで新規構築
- 新規事業サイト:Webflowで構築
この構成であれば、既存サイトの運用を維持しながら、Webflowのメリットを享受できます。
ポイント4:外部パートナーとの連携を活用する
自社だけでの導入が難しい場合は、Webflow認定パートナー企業との連携を検討してください。日本では2023年に初のWebflow公式エンタープライズパートナーが誕生しており、導入支援や運用サポートを提供する企業が増えています(出典:PR TIMES, 2023年8月28日)。
2025-2026年のWebflow注目アップデート
Webflowは継続的に機能強化を行っています。中小企業のWeb担当者が押さえておくべき最新アップデートを紹介します。
AI Site Builder
2024年10月に発表され、2025年2月から広く展開が開始された機能です。ビジネスの説明文を入力するだけで、AIが複数のサイトテーマを数分で生成します(出典:Webflow Updates, 2025年2月26日)。
SaaSスタートアップのWebサイト立ち上げや、デザイナー不在の企業での簡易Web構築に活用できます。
AI Assistant
2025年9月17〜18日に開催された「Webflow Conf 2025」で発表された機能です。テキスト指示によりサイト要素をAIが修正する「リアルタイムサイト更新」や、metaタグ・schemaマークアップのドラフトをAIが生成しSEO対応作業を支援する機能が搭載されています(出典:Webflow, 2025年4月16日 /Sitefun, 2025年9月18日)。
Interactions with GSAP
WebflowのInteractions機能でGSAP(GreenSock Animation Platform)連携が提供され、より高度なモーション表現をノーコードで設計しやすくなりました。従来は外部スクリプトの追加が必要だった複雑なアニメーションへの対応が容易になっています。
まとめ——Webflowは「Web制作の内製化」を実現する選択肢
Webflowは、デザイン→実装→ホスティングを一貫して行えるプラットフォームとして、中小企業のWeb運用に新たな選択肢を提供しています。
Webflow導入が適している企業
- Webサイトの更新頻度が高く、エンジニアへの依頼がボトルネックになっている
- WordPressのセキュリティ管理・アップデート対応に負担を感じている
- マーケティング施策をスピーディーに実行したい
- デザイン品質を妥協せずに、運用コストを下げたい
導入を検討する際の留意点
- 数千〜数万ページの大規模サイトには向いていない
- 完全に独自の機能が必要な場合は、カスタム開発の方が適切
- 社内に学習意欲のある担当者がいることが望ましい
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※この記事は、信濃ロボティクスイノベーションズ合同会社の開発するマルチAIアシスタント「secondbrain」を利用して執筆しています。
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