kintoneからAirtableへ移行すべき?AI活用で業務時間を30%削減する乗り換え戦略
「kintoneを使っているけど、なんだか使いにくい」「AIで業務を効率化したいけど、思うように進まない」
そんな声を、技術者や現場担当者から聞くことがあります。
kintoneは日本の中小企業に広く普及したノーコードツールですが、2025年以降のAI活用時代において、その設計思想が業務効率化の足かせになるケースが出てきています。
本記事では、kintoneユーザーが感じている課題を整理し、AI活用に最適化されたAirtableへの乗り換えが「どのような企業に向いているのか」を客観的なデータとともに解説します。
本記事のタイトルにある「30%削減」について
この数値は、営業10人+事務2人の中小企業における定型業務時間(月間約300時間と想定)に対し、AI活用により月93時間の削減が見込める試算に基づいています。93時間÷300時間=約31%となり、これを「30%削減」と表現しています。具体的な削減効果の試算は、本記事の「年間時間削減のシミュレーション」セクションで詳しく解説します。
kintoneユーザーが感じている「ストレス」の正体
IT Reviewの530件レビューから見える課題
IT Review(2026年1月4日時点)に投稿されたkintoneの利用者レビュー530件を分析すると、肯定的な評価と否定的な評価の両方が見えてきます。
(出典: IT Review「kintoneの評判・口コミ 全530件」2026年1月4日閲覧)
肯定的な評価として挙げられているのは、ノーコードでの直感的なアプリ作成、ExcelからのDX実現、プラグインやAPIによる拡張性、IT人員が少ない企業でもスモールスタートできる点です。
一方、否定的な評価として指摘されているのは、以下のような点です。
- レイアウトが大幅に変更できず見づらい
- 複雑な計算式や多段リレーションに弱い
- AI機能の制限が多い
- 使用できる関数が限られている
また、pepacomi.com(2025年5月18日)の記事「kintoneの評判は?」では、より具体的な声が紹介されています。
(出典: pepacomi.com「kintoneの評判は?」2025年5月18日)
- アプリが乱立し、どのアプリとどのアプリがどうつながっているか分かりづらい
- アプリ同士のデータ連携が難しい
- 1ユーザー5GB制限ですぐ埋まる
- 多機能すぎて使いこなせない
- プラグイン依存でコストが膨らむ
2024年秋の最低契約者数引き上げ
loftal.jp(2026年1月6日)の記事によると、2024年秋の改定でkintoneの最低契約者数が5名から10名へ引き上げられました。
(出典: loftal.jp「【2025年版】最新のkintoneの評判を総ざらいしてみた。口コミ」2026年1月6日)
これにより、10名未満の小さなチームにとっては割高になったという声が出ています。
kintone AI Labの技術的制限
Cybozu公式ブログ(2025年5月13日)では、kintone AI機能の技術的な構造が解説されています。(出典: blog.cybozu.io「kintone AI ラボリリース!大規模 SaaS への AI 機能導入で意識した…」2025年5月13日)
AI基盤がAWS上に分離構成されているため、処理に時間がかかる傾向があること、マルチテナント環境の負荷分散のためにリクエスト量が制限されていること、1日あたりの利用回数に上限があることなどが説明されています。
また、adiem.jp(2026年1月11日)の記事「kintoneの『検索AI』は使えない?」では、kintone検索AIが現在開いているアプリのデータしか参照できないという制約が指摘されています。(出典: adiem.jp「kintoneの『検索AI』は使えない?」2026年1月11日)
つまり、在庫管理アプリで検索しているとき、発注履歴アプリにある過去の発注データとAIが照らし合わせることができないということです。
Airtableの2025年AI機能が解決する課題
3つのAI層で構成されるAirtable AI
eesel.ai(2026年1月13日)の「2025年のAirtable AIレビュー」では、Airtableが3つのAI層で構成されていることが解説されています。(出典: eesel.ai「2025年のAirtable AIレビュー」2026年1月13日)
第1層のOmni(エージェント型AI) は、アプリ全体を見渡すグローバルAIです。複数テーブル間の関係を理解して質問に答えることができます。2025年12月22日のアップデートで、インターフェースやレコード単位での実行が可能になりました。(出典: Airtable Community「New: Omni, right where you work in Airtable」2025年12月22日)
第2層のField Agents(フィールド単位のAI) は、特定フィールドでデータを自動生成・分析する機能です。ウェブ検索、ドキュメント解析、データ抽出に特化しています。
第3層のオートメーション統合 により、AIの出力がトリガーになるワークフロー自動化が実現します。
複数テーブルの自動判断が可能な理由
Whalesync(2025年11月4日)の記事「How to use Airtable linked records and lookup fields」では、kintoneとAirtableの構造的な違いが説明されています。(出典: Whalesync「How to use Airtable linked records and lookup fields」2025年11月4日)
kintoneではアプリ連携が別データセットとして扱われるのに対し、Airtableではリンクレコードにより同一ベース内でテーブル間の関係を構築できます。
この違いにより、AIが参照できる範囲が大きく異なります。kintoneでは現在のアプリのデータのみですが、Airtableでは全関連テーブルのデータを一度に参照可能です。
既存データの自動クリーニング実例
note(2025年9月23日)の記事「【Airtable AI実践】データベースが勝手に調べる時代へ」では、Field Agentsを使った既存データクリーニングの実例が紹介されています。(出典: note「【Airtable AI実践】データベースが勝手に調べる時代へ」2025年9月23日)
たとえば企業名フィールドで「LOOV」「ルーブ」「株式会社LOOV」「LOOV Inc.」とバラバラに入力されているデータを、Field Agentsの指示1つで「株式会社LOOV(ルーブ)」のように統一フォーマットに自動変換できます。
この記事では、従来3日かかっていた企業情報収集が数時間で完了したと報告されており、約80%の時間削減が実現しています。
AI活用で実現する時間削減の数値
中小企業の業務別削減事例
kipwise.com(2025年4月19日)の「【2025年版】中小企業のAI活用事例と導入メリット」では、複数の中小企業事例が紹介されています。(出典: kipwise.com「【2025年版】中小企業のAI活用事例と導入メリット」2025年4月19日)
事例1:製造業・社員40名の営業支援AI導入
- 導入前:営業提案資料作成に1案件あたり平均2時間
- 導入後:テンプレート生成で30分に短縮(75%削減)
- 効果:月20案件×1.5時間削減=月30時間削減
事例2:IT系ベンチャー・社員25名のAI議事録ツール導入
- 削減率:90%以上(従来の議事録作成時間)
- 効果:会議後の事務作業がほぼ自動化
事例3:地場工務店の見積書自動作成
- 従来:見積作成1件あたり90分
- AI導入後:30分に短縮(67%削減)
- 成約率改善:約15%向上
(出典: inno-hub.jp「中小企業でもできる!AI導入の成功事例5選」2025年6月19日)
年間時間削減のシミュレーション
営業10人+事務2人の中小企業を想定した場合の削減シミュレーションは以下の通りです。
- 提案資料作成:50%削減で月40時間、年480時間
- データ入力・整理:40%削減で月20時間、年240時間
- メール起草:30%削減で月15時間、年180時間
- レポート作成:45%削減で月18時間、年216時間
- 合計:月93時間、年1,116時間(約28日分)
この月93時間の削減は、12名の従業員が行う定型業務時間(1人あたり月25時間×12人=月300時間と仮定)の約31%に相当します。これが本記事タイトルの「30%削減」の根拠です。
kintone vs Airtable 実務比較
Capterra(2025年8月2日)の「Compare kintone vs Airtable 2025」と、bansonavi.com(2025年3月14日)の比較記事をもとに、AI活用観点での実務比較をまとめます。(出典: Capterra「Compare kintone vs Airtable 2025」2025年8月2日) (出典: bansonavi.com「kintoneと類似するサービスを比較」2025年3月14日)
テーブル間のAI参照
kintoneはアプリ単位の分離設計のため、AIが現在のアプリのデータのみを参照します。Airtableは全テーブルを一度に参照可能で、複数テーブルにまたがる判断ができます。
AI利用の制限
kintoneはマルチテナント負荷管理のためリクエスト量と1日利用回数に制限があります。Airtableはクレジットシステムで比較的自由に利用でき、プラン内であれば上限を気にせず活用できます。
既存データクリーニング
kintoneでは手作業またはプラグインの購入が必要です。AirtableではField Agentsで自動一括実行が可能です。
月額コスト(10人の場合)
kintoneスタンダードコースは月額1,800円/ユーザー(税抜、税込1,980円)で、10人の場合は月額約18,000円(税抜、税込19,800円)、年額約216,000円(税抜、税込237,600円)となります。(出典: kintone公式サイト「料金」2026年1月時点)
Airtable Teamプランは$20/シート/月で、10人の場合は月額約30,000円(1ドル150円換算)、年額約360,000円となります。ただし、年払いの場合は割引が適用されます。(出典: Airtable公式「Airtable plans overview」2025年12月22日)
単純なコスト比較ではkintoneが有利ですが、AI活用による業務時間削減効果を含めた総合的なROIで判断することが重要です。
kintoneが優位な点
日本語サポートが充実していること、多段階の承認ワークフローが標準で備わっていること、レコード数が無制限であることは、kintoneの明確な強みです。特に日本の商習慣に合わせた機能が豊富で、国内パートナー企業による導入支援も充実しています。
乗り換えが向いている企業のチェックリスト
以下のいずれかに当てはまる場合、Airtableへの乗り換え検討の価値があります。
UI/UX面の不満が大きい
- レイアウト制限にストレスを感じている
- 見づらい画面を何とかしたい
AI活用で業務を大幅改善したい
- 複数のアプリ(テーブル)にまたがるデータをAIに自動判断させたい
- 既存データを一括で自動整理したい
- 営業・事務の手作業を大幅削減したい
少人数チームで高機能が必要
- 5〜20人規模で高度なデータベース構築が必要
- kintoneの最低10名契約が割高に感じている
外部パートナーとのデータ共有が必要
- クライアント向けダッシュボードやポータルが必要
乗り換えが不向きなケース
一方、以下のケースでは慎重な検討が必要です。
- 勤怠、経費、申請、案件を1つのプラットフォームに統一したい
- 3段以上の複雑な承認ルーティングが必要
- レコード数が100万件を超える可能性がある
- IT部門が小さく、日本語での電話サポートが必須
乗り換え成功の3ステップ
ステップ1:検証フェーズ(1〜2ヶ月)
まず、現場担当者へのヒアリングで「週に何時間無駄だと感じるか」を定量化します。具体的なボトルネック業務を3つ選び、Airtable Freeプランで該当業務の検証を行います。
Airtable公式(2025年12月22日)によると、Freeプランでは5エディター、1,000レコード/ベース、100オートメーション/月が利用可能です。(出典: Airtable公式「Airtable plans overview」2025年12月22日)
1〜2週間、実際の業務データで運用し、削減時間を測定します。
判断基準
- 削減時間が月30時間以上:乗り換え検討の価値大
- 削減時間が月10〜30時間:検証継続
- 削減時間が月10時間未満:現状維持を検討
ステップ2:計画フェーズ(1ヶ月)
セキュリティ・コンプライアンス要件を確認します。
Airtable「Trust & Security」によると、SOC 2 Type II認証、ISO/IEC 27001、GDPR準拠を取得しています。Enterpriseプランでは組織単位でAIモデルを制御可能です。(出典: Airtable「Trust & Security」)
Teamプラン($20/シート/月)で実際の業務データ量をテストし、移行スケジュールを策定します。
ステップ3:実行フェーズ(2ヶ月以上)
段階的な業務移行を推奨します。
- Phase 1(1ヶ月目):営業提案資料作成の自動化だけをAirtableに移行
- Phase 2(2ヶ月目):営業案件管理全体をAirtableに統合
- Phase 3(3ヶ月目):他部門の小規模業務も試験導入
kintoneとの並行運用期間を1〜2ヶ月設け、確信が持てたら段階的にkintoneの不要なアプリを削除していきます。
乗り換え時の注意点
AI creditシステムの理解
eesel.ai(2026年1月13日)の記事によると、Airtable AIはクレジット制で、複雑なタスクほどクレジット消費が多くなります。月間クレジット上限を超えると、その月はAI機能が使用不可になります。(出典: eesel.ai「2025年のAirtable AIレビュー」2026年1月13日)
導入当初は「月何クレジット使うか」を記録し、大規模な処理の前にクレジット残量を確認する習慣をつけることが重要です。
外部データとの連携
ZendeskやJiraのような外部ツールから「リアルタイムでAIが参照する」ことはできません。ZapierやMake.comを使って事前にデータをAirtableに同期する仕組みが必要です。
レコード上限への注意
edamame-jp.com(2026年1月2日)の比較記事によると、Airtableのレコード数制限は以下の通りです。(出典: edamame-jp.com「Kintone vs Airtable 2026: Complete Comparison Guide」2026年1月2日)
- Teamプラン:5,000レコード/ベース
- Proプラン:50,000レコード/ベース
- Enterprise:500,000レコード/ベース
導入時に「3年後のレコード数」を予測し、必要に応じてプランを選択することが重要です。
中小製造業のAI導入事例
ここで、kintone/Airtableの議論から少し視野を広げ、中小製造業における生成AI導入の成功事例をご紹介します。
事例1:東海精工(従業員300名)
lit-up.jpの記事によると、部品メーカーの東海精工は以下の成果を達成しました。(出典: lit-up.jp「中小製造業のAI導入事例」2025年)
- 投資額:4,200万円(システム + 教育 + 導入支援)
- 年間コスト削減:1億円(人件費削減・不良低減・ダウンタイム削減)
- 投資回収期間:5ヶ月
従来型の自動化設備投資(通常1-2億円以上、回収期間2-3年)と比較して、AIが低コストで高いROIを実現しています。
事例2:従業員10名の町工場
noteの記事では、極めて小規模な企業での成功事例が紹介されています。(出典: note「町工場のAI導入記」2025年)
- 見積作成時間:従来3時間から導入後15分(87%削減)
- 月間削減時間:120時間
- 月間削減人件費相当:約30万円
- 投資回収期間:1.5ヶ月
事例3:営業提案書作成の効率化
syusodo.co.jpの記事では、営業提案書作成の効率化事例が紹介されています。(出典: syusodo.co.jp「生成AIによる業務改善事例」2025年)
- 従来3時間から50分で完成
- 年間800万円の人件費削減相当
- 営業訪問件数が週8件から15件へ増加
- 営業成約率20%向上
スモールスタートのすすめ
中小企業のAI導入において、最も成功率が高いのは「スモールスタート」です。
corp.sai-labs.co.jpの記事によると、以下の段階的アプローチが推奨されています。(出典: corp.sai-labs.co.jp「AI導入コスト比較ガイド」2025年)
第1段階:月額1〜5万円のスモールスタート
- 初期費用:0円〜50万円
- 月額費用:1万円〜10万円
- 導入期間:1週間〜1ヶ月
- 対象業務:議事録作成、メール・文書作成支援、簡易チャットボット
- 期待効果:月20〜50時間削減、投資回収1〜2ヶ月
第2段階:中規模カスタマイズ
- 初期費用:100万円〜300万円
- 月額費用:5万円〜20万円
- 導入期間:1ヶ月〜3ヶ月
- 対象業務:受注数量予測、画像検査、自動在庫管理
- 期待効果:月50〜100時間削減、投資回収6〜12ヶ月
第3段階:本格的カスタム開発
- 初期費用:300万円〜800万円
- 月額費用:20万円〜50万円
- 導入期間:2ヶ月〜6ヶ月
- 対象業務:設備予知保全、設計最適化、熟練工ノウハウのAI化
- 期待効果:年間数百万円〜1億円規模のコスト削減
マーキュリーがサポートできること
私たちマーキュリープロジェクトオフィス株式会社は、20年以上にわたり100社を超えるクライアント様のデジタル課題解決をご支援してきました。
特に、kintoneからAirtableへの移行、生成AI導入による業務効率化について、以下のサポートが可能です。
現状分析と効果シミュレーション
- 現在の業務フローのヒアリング
- AI導入による削減効果の試算
- 最適なツール選定のご提案
Airtable導入支援
- テーブル設計・構築
- Field AgentsやOmniの設定
- 既存データの移行・クリーニング
生成AI活用コンサルティング
- 業務別のAI活用プラン策定
- プロンプト設計と運用ルール整備
- 社内研修の実施
「自社の場合はどうなのか」「まずは何から始めるべきか」といったご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
※この記事は、信濃ロボティクスイノベーションズ合同会社の開発するマルチAIアシスタント「secondbrain」を利用して執筆しています。
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