【2026年最新】Replit入門完全ガイド:ブラウザだけでアプリ開発からデプロイまで実現するAI開発プラットフォーム
はじめに:開発環境の「セットアップの手間」を解消するプラットフォーム
「プログラミングを始めたいが、開発環境の構築でつまずいてしまった」 「ちょっとしたツールを作りたいだけなのに、セットアップに半日かかってしまう」 「チームメンバーと同じ環境を共有するのが大変」
プログラミングやシステム開発に関わる方なら、一度はこうした経験があるのではないでしょうか。
これらの課題を解消するのが、クラウドベースの開発プラットフォーム「Replit(レプリット)」です。ブラウザさえあれば、環境構築なしでコードの作成・実行・公開(Publish)・運用(Deployments)までを進められます。
2025年、Replitは「Agentファースト」への大転換を遂げ、AIがコードを書き、デバッグし、デプロイまで自律的に行う時代に突入しました。
出典:Replit公式ブログ「2025: Replit in Review」2025年
本記事では、Replitの基本から2025年の最新アップデートまでを網羅的に解説し、ビジネスでの具体的な活用方法をご紹介します。
第1章:Replitとは何か
クラウドIDE兼アプリ開発プラットフォーム
Replitは、ブラウザだけでコードの作成・実行・公開・運用ができるクラウドIDE(統合開発環境)兼アプリ開発プラットフォームです。2016年にAmjad Masadらによって創業されました。
対応言語については、公式ブログで「50以上の言語対応から、Nixを活用してすべての言語に対応する方向へ進化した」と説明されています。
出典:Replit公式ブログ「How we went from supporting 50 languages to all of them」2023年
従来の開発では、以下のような準備が必要でした。
- プログラミング言語のインストール
- 開発ツール(IDE)のセットアップ
- 各種ライブラリやフレームワークの導入
- 実行環境の設定
- デプロイ用のサーバー準備
Replitでは、これらの多くがブラウザ上で完結します。アカウントを作成してプロジェクトを開始するだけで、すぐにコードを書き始められるのです。
Replitの核心価値
Replitの最大の価値は「開発を始めるまでの障壁を大幅に下げる」ことにあります。
出典:Replit Cloud Development Environment
ブラウザ上でエディタ、ターミナル、実行コンソールが統合され、インストール不要で開発環境が整います。Googleドキュメントのように複数人が同じプロジェクトを同時編集でき、リアルタイムカーソル表示やチャット、履歴管理が可能です。
出典:Zenn「うさぎでもわかるクラウドIDE Replit入門」2025年
第2章:Replitで何が作れるか
Replitの活用範囲は非常に広く、以下のようなプロジェクトを開発できます。
Webサイト・Webアプリ
静的サイト、SPA(シングルページアプリケーション)、PWA(プログレッシブWebアプリ)、フルスタックWebアプリ(フロントエンド+バックエンド+データベース)をテンプレートやAIから数分で作成し、そのまま公開可能です。
出典:Replit Web App Builder公式ページ
API・バックエンドサービス
Node.jsやPythonなどでREST APIやWebhook受けのバックエンドを作成し、Replitのホスティング機能で常時稼働させることができます。外部サービスとの連携用APIを素早く構築したい場合に最適です。
出典:Replit Docs 2025年
IoT・Raspberry Pi向けコード
Replit上でPythonなどのコードを作成し、GitHub連携を通じてRaspberry Pi側へ持ち込む開発スタイルを取ることができます。「クラウド上でコードを編集 → GitHubにプッシュ → Raspberry Pi側でpullして実行」という流れで、IoTプロジェクトの開発効率向上に活用可能です。
出典:Replit Docs – GitHub Import
業務系スクリプト・外部システム連携
Salesforceなどの業務システムと連携するスクリプトやツールの開発にも活用できます。
なお、Salesforce APEXコード自体の実行にはSalesforce環境が必要です。Replitの強みが活きるのは、APEXそのものよりも、Salesforce周辺のデータ加工スクリプト、API連携ツール、PoC用の外部Webサービスなどの開発です。これらをReplitで素早くプロトタイピングし、本番環境と連携させるワークフローが効果的です。
Salesforce DXやGit連携の詳細については、Salesforce公式ドキュメントもご参照ください。
データ分析・スクリプト自動化
PythonやRで小規模なデータ分析やバッチ処理ツールを作成し、ブラウザだけで検証可能です。ちょっとしたデータ加工スクリプトや定型業務の自動化ツールを、環境構築なしで素早く作成できます。
出典:Data Science Dojoブログ 2025年
教育・研修用途
アカウントさえあればPC教室のセットアップなしでプログラミング演習ができます。リアルタイム共同編集やプロジェクト共有により、講師が学習状況を確認しながら指導できるため、プログラミング研修や教育現場での活用が進んでいます。
出典:No Code Mentor「Replit Overview」2024年12月
第3章:Replitの主要機能(2025年時点)
クラウドIDE & コラボレーション
Replitの基本機能であるクラウドIDEは、以下の要素を統合しています。
コードエディタ シンタックスハイライト、コード補完、エラー検出を備えた本格的なエディタがブラウザ上で動作します。
ターミナル Linuxベースのターミナルでコマンドライン操作が可能です。npmやpipなどのパッケージマネージャーも利用できます。
実行コンソール コードを実行し、結果をリアルタイムで確認できます。Webアプリの場合はプレビュー画面も表示されます。
バージョン管理 Git連携により、コードの履歴管理やチーム開発が可能です。
リアルタイム共同編集 複数人が同時に同じファイルを編集でき、カーソル位置やタイピングがリアルタイムで共有されます。
AIエージェント(Replit Agent)
Replit Agentは、自然言語の指示からアプリの骨組みを構築し、コード補完やデバッグ、ドキュメント生成まで行うAIコンパニオンです。
出典:Replit Docs 2025年
例えば「ToDoリストアプリを作って」と指示するだけで、AIがフロントエンド、バックエンド、データベースを含む完全なアプリケーションを生成します。さらに、生成されたコードの説明やカスタマイズの提案も行います。
デプロイ・運用機能
Replitは、開発したアプリをそのままインターネットに公開できるホスティング機能を提供しています。
ホスティング(Publish / Deployments) 開発したアプリをワンクリックで公開(Publish)し、本格運用(Deployments)へ移行できます。
マネージドデータベース PostgreSQLベースのデータベースが統合されており、別途DBサーバーを用意する必要がありません。
オブジェクトストレージ ファイルや画像などのアップロード・保存に対応しています。
カスタムドメイン・HTTPS 独自ドメインの設定やHTTPS対応が標準で可能です。
シークレット管理 APIキーなどの機密情報を安全に管理できます。
ログ・分析 アプリの稼働状況やアクセスログを確認できます。
第4章:2025年のReplitアップデート —「Agentファースト」への転換
2025年は、Replitにとって大きな転換点の年となりました。「AIがコードを書く」から「AIがアプリを構築する」へと、プラットフォームの性質そのものが進化したのです。
出典:Replit公式ブログ「2025: Replit in Review」2025年
Agent v2・v3:開発速度の大幅向上
2025年2月にAgent v2、9月にAgent v3がリリースされました。公式発表によると、これらのアップデートによりアプリ構築の速度が「2〜3倍に向上」し、最大200分間の自律動作や自己テスト機能を備えるようになりました(出典:同上)。
Agent v3の主な特徴は以下の通りです。
- 長時間の自律動作:最大200分間、人間の介入なしでタスクを継続実行
- 自己テスト機能:生成したコードを自動でテストし、問題があれば修正
- マルチファイル対応:複数のファイルを横断した大規模な変更を一括実行
- デバッグの自動化:エラーを検出し、原因を特定して修正を提案
Design Mode:デザインからアプリまで一気通貫
2025年11月にリリースされたDesign Modeは、Google Gemini 3を活用して2分以内にインタラクティブなデザインや静的サイトを生成し、それをワンクリックで本格アプリに変換できる機能です。
出典:Replit公式ブログ「2025: Replit in Review」2025年
従来は「デザイナーがデザイン → エンジニアがコーディング」という分業が必要でしたが、Design Modeではデザインとコーディングが一体化し、アイデアから完成品までの時間が大幅に短縮されます。
Fast Build:ビルド時間の劇的短縮
2025年12月にリリースされたFast Buildにより、ビルド時間が従来の15〜20分から3〜5分へと大幅に短縮されました。開発中の「ビルド待ち」のストレスが解消され、試行錯誤のサイクルが高速化します。
モバイルアプリ開発対応
React Native/Expo対応により、iOS/Androidアプリのフルスタック開発をReplit上で進められるようになりました。AI統合・Database・App Storage・外部コネクタを組み込んだモバイルアプリを、Agentの指示で構築することを支援します。
なお、モバイルアプリの最終的なテストや実機での動作確認には、端末実機やシミュレーター環境が必要な場合があります。Replitはあくまでブラウザ中心の開発を支援するプラットフォームとしてご理解ください。
Replit Auth:認証実装の簡素化
Replit Authの導入により、ユーザー認証の実装を「1つのAgentプロンプト」にまで単純化しました(公式表現)。「ログイン機能を追加して」と指示するだけで、基本的な認証システムが実装されます。
ただし、要件によっては追加設定や他の認証プロバイダーとの連携が必要な場合もあります。本番環境での利用時にはセキュリティ要件を十分ご確認ください。
エンタープライズ対応の強化
SOC2 Type II準拠、SSO(シングルサインオン)、SCIM(ユーザー管理の自動化)など、企業での利用に必要なセキュリティ・管理機能が整備されました。これにより、大企業や規制産業でもReplitを導入検討するための前提条件が揃い始めています。実際の導入には各社のセキュリティ審査が必要です。
第5章:Replitのビジネス活用シーン
Replitの特性を活かした、具体的なビジネス活用シーンをご紹介します。
社内業務ツールのプロトタイピング
「こんなツールがあったら便利なのに」というアイデアを、数時間で形にできます。
例えば、以下のようなツールをReplitで素早く作成できます。
- 見積書・請求書の自動生成ツール
- 顧客情報の簡易検索システム
- 日報・週報の集計ダッシュボード
- 社内FAQチャットボット
従来であれば外注や社内SEへの依頼が必要だったツール開発を、現場担当者自身が(AIエージェントの支援を受けながら)高速でプロトタイピングできる可能性があります。
Salesforce連携用のツール開発
Salesforceを利用している企業では、データ連携やバッチ処理のためのツールが必要になることがあります。Replitでは、以下のような開発が可能です。
- SalesforceからAPIでデータを取得して加工するPythonスクリプト
- 外部システムとSalesforceを連携するAPIの開発
- PoC(概念実証)用のWebサービス構築
Raspberry Pi・IoTプロトタイプのクラウドロジック開発
IoTプロジェクトでは、センサーデータの収集・分析・可視化のためのクラウド側ロジックが必要です。Replitでは、以下のような開発が可能です。
- センサーデータを受信・蓄積するAPIサーバー
- データを可視化するダッシュボード
- 異常検知時にアラートを送信するバッチ処理
社内・教育向けハンズオン環境
プログラミング研修や社内勉強会を開催する際、参加者の環境構築は大きな障壁となります。Replitを使えば、以下のメリットがあります。
- 参加者は自分のPCに何もインストールする必要がない
- 講師は受講者のコードをリアルタイムで確認できる
- サンプルコードやテンプレートを簡単に共有できる
- 受講後も各自がプロジェクトを継続できる
第6章:Replitを使い始めるには
Replitの利用開始は非常にシンプルです。
ステップ1:アカウント作成 Replit公式サイトにアクセスし、Googleアカウントやメールアドレスで無料アカウントを作成します。
https://replit.com
ステップ2:プロジェクト作成 「Create Repl」ボタンをクリックし、使用する言語やテンプレートを選択します。「Import from GitHub」でGitHubのリポジトリをインポートすることも可能です。
ステップ3:開発開始 ブラウザ上でコードを書き、実行ボタンを押すだけで結果を確認できます。AIエージェントを使う場合は、自然言語で指示を入力します。
ステップ4:公開・運用 開発が完了したら、「Publish」で一般公開、または「Deployments」で本格運用できます。独自ドメインの設定も可能です。
料金プラン(2025年12月時点)
Replitには無料プランと有料プランがあります。
無料プラン(Starter) 基本的な機能は無料で利用可能です。ただし、コンピューティングリソースや同時実行数、公開可能なアプリ数(Starterプランでは1アプリまで)に制限があります。学習や小規模な個人プロジェクトには十分です。
有料プラン(Replit Core / Teams) より多くのコンピューティングリソース、AIエージェントの高度な機能、チーム向けのコラボレーション機能、カスタムドメイン、優先サポートなどが利用可能です。本格的なビジネス利用には有料プランを検討することをお勧めします。
料金・制限は変更されることがあるため、最新情報は公式の料金ページをご確認ください。
https://replit.com/pricing
まとめ:プロトタイピングと開発効率化を加速するReplit
本記事では、クラウドベースの開発プラットフォーム「Replit」について、基本機能から2025年の最新アップデートまでを解説しました。
Replitの価値
- ブラウザだけで開発環境が完結し、セットアップの手間を大幅削減
- Nixを活用した幅広い言語対応
- リアルタイム共同編集でチーム開発が容易
- ワンクリックで公開・運用が可能
2025年の進化ポイント
- AIエージェント(Agent v3)による開発速度向上(公式表現で「2〜3倍」)
- Design Modeによるデザインからアプリまでの一気通貫
- Fast Buildでビルド時間が15〜20分から3〜5分へ短縮
- モバイルアプリ開発のサポート強化
- エンタープライズ向けセキュリティ機能の整備
ビジネス活用シーン
- 社内業務ツールのプロトタイピング
- Salesforce連携用ツール開発
- IoTプロジェクトのクラウドロジック開発
- 研修・教育用ハンズオン環境
2025年、Replitは「開発の効率化」をさらに加速させています。プログラミングの専門知識が限られていても、AIエージェントの支援を受けながらアプリを構築できる環境が整いつつあります。
マーキュリープロジェクトオフィスでは、Replitをはじめとする最新テクノロジーを活用したシステム開発・業務効率化の支援を行っています。「こんなツールがあったら便利なのに」というアイデアをお持ちの方、Replitを活用した開発にご興味のある方は、お気軽にご相談ください。
※この記事は、信濃ロボティクスイノベーションズ合同会社の開発するマルチAIアシスタント「secondbrain」を利用して執筆しています。




